〜妻の命を救え‼︎ 軽井沢ゴルフ殺人〜
ーーあらすじ
真犯人をめぐるドタバタ劇…。
様々な思惑が飛び交う中、藤巻(反町隆史)の同志であった伊集(盛山晋太郎)が中国茶を飲んだ瞬間、その場で倒れた。
そして病院に運ばれて行政解剖を受けた結果、またしても「急性心不全」の診断が下った。
神林(尾上松也)は病院帰りの藤巻が外でも白衣を着ていたことに疑念を抱き、「なぜ白衣を?」と問い詰める。
すると藤巻はカンファレンスの結果で気になる点があり、それを聞き出すために伊集を引き止めた、との事。
取り調べの結果、藤巻はこの日は解放された。
しかし月足(濱正悟)と神林は藤巻の殺害を疑い、伊集の飲んだ水を鑑定に回すことに。
白鳥(佐々木蔵之介)はギフト管理を怠った藤巻を非難し2つのうちの1つのギフトを白鳥が預かることになる。
藤巻はギフト(殺人球菌)の悪用に耐えかねてギフトの培養をやめ、データや研究結果などを全て破棄すると言ったが、白鳥は愛宕の死を理由にギフトがなくなれば真犯人の特定も困難になる…と反論し、さらに断れば藤巻の妻・真帆の真菌細胞シートの取り消しも辞さない態度を強調。
藤巻は妻の手術が終わるまでギフトの培養は続ける…と言い残してその場を去った。
一方、藤巻の同志である伊集の葬儀が開かれ、奈良(小野花梨)は伊集の死を悼んで泣いていた。
白鳥は伊集の死を偲ぶ中、これからは藤巻を中心に患者のため病院の舵取りをしていく…と発表。
さらに伊集にハスの花を手向けるなど死者への弔いも忘れずに周囲の好感を誘う。
伊集の遺体には化粧が施されていたが、やはり首元には黒ずみがあった。
その日、伊集と一緒にいた藤巻を久留米は疑ったが、藤巻は「なぜこんな危険なことに首を突っ込んでくるのですか…!」と取り乱していた。
藤巻はギフトに興味がある久留米をかねてからギフト使用者の犯人として疑っていた。
そこに鶴下(片山萌美)から再び急性心不全の患者が来たと着信が入る。
藤巻が駆けつけた病理室にはすでにその患者は息絶えており首元には黒い斑点はなかった。
藤巻はギフトに振り回される自分が嫌になり、鶴下にもう連絡はしなくていい…と伝えた。
病理室を後にした藤巻を後ろから郡司(津田健次郎)は藤巻が患者を看取る際、必ず首元を見ることに着眼。
一方、藤巻の妻・真帆の真菌細胞シートの使用許可が下り、娘の藤巻あかりと真帆は白鳥に感謝の言葉を告げた。
藤巻も渋々白鳥に頭を下げたが、その様子を不審目に見ていた群司。
藤巻あかりは車椅子で部屋から出てきた神林の娘・琴葉(中島瑠菜)とばったり出会い、しばしの交流を楽しんだ。
さらに琴葉は白鳥がネットの記事に載るほどの権力者になったことを伝え、白鳥を絶賛。
白鳥は「インタビューを受けただけですよ。」と腰を低くしたが、神林は娘・琴葉の主治医が白鳥であることを誇りに思っていた。
群司は「あれで人を殺してるのか…。」と後ろでつぶやいていた。
その後、群司は事件の全容をついに把握し、白鳥にギフトの培養を命じられた藤巻が奥野を殺害した、という結論を出した。
勿論、それが藤巻にとって不本意な行動なのは知っていたが、妻の真帆の命を握られているためにギフトの培養に関与した、とまで話したのだ。
藤巻は「なんのことですか。」としらを切るが、群司は全てを把握していた。
さらに群司は白鳥先生を模範の理事長として憧れており、これ以上ギフトの殺害に関与してほしくない、白鳥に汚名を被せたくない、と本音を吐露した。
実は白鳥は医学系大学連合会議の副議長である聖橋大学病院理事長・大泉篤(西岡德馬)の座を狙っていた。
白鳥は今週末、大泉の別荘がある軽井沢に行くことになっていた。
大泉は生粋のワインコレクターとして知られており、白鳥に自慢のワインを振る舞うことになっている。
その日には群司も誘われていた。
大泉は2年前に心筋梗塞を患い、冠動脈バイパスのオペの最中であったこと、いつ急性心不全で倒れてもおかしくない状況であることを話した。
そのため、偽装工作を仕込むにはこれ以上ないチャンスだという(ギフトによる死が急性心不全と誤診される可能性が極めて高いため)。
群司はそこで新たな犠牲者が生まれることを危険視していた。
白鳥は藤巻から預かった2つのうちの1つのギフトを持っており大泉を失脚させるための用意は整っていた。
群司は藤巻を証言者として大泉の別荘に来るよう強要、「2人で患者および病院の命を救うぞ。」と約束した。
藤巻はその後本坊(筒井道隆)とアルカナムで飲み、病院検査室とは別に自分のラボに使える鍵を作りたいと告白。
本坊は久留米との匂わせを疑っていたが、藤巻は全面拒否。
久留米は上司との不倫関係がバレて前職を去り、現在の明鏡病院に行き着いたという経緯を持つ。
本坊はその件に関してはそれ以上話さず、合鍵を作るという条件つきで藤巻の願いを受け入れた。
本坊はアルカナムのウエイターである立花(市川知宏)に高級のワインを藤巻に振る舞うようオーダー、藤巻は拒否したが、理事長派に属する人間は月間経費をいくらでも落とせるという恵まれた立場にありながら庶民の生活に甘んじていては勿体無い…という理由で本坊はお酒を用意。
そこに安曇(倉科カナ)がアルカナムに到着、さらにそのタイミングで久留米(波瑠)も合流した。
藤巻は少々取り乱していた。
本坊は久留米について藤巻との匂わせ(都市伝説)や、友達の少ない変わり者…などと安曇に説明。
安曇は白鳥と久留米、さらに藤巻の3人の交流が増えていることを不審に思い、本坊に3人のお目付け役(ほぼ監視)を依頼。
本坊は安曇にすっかり上がっていた。
藤巻と久留米は2人でディナーを囲み語らった。
久留米は藤巻の後をつけてアルカナムに到着した…と説明。
さらに久留米は藤巻と群司との会話を盗み聞きしており白鳥が黒幕であると結論を急いだ。
軽井沢に行って新たな殺人の連鎖を断ち切るべきだと強調。
久留米は白鳥がライバル視する大泉のことを「お金と権力に溺れたクズ。」と一刀両断し、
聖橋大学での評判はすこぶる悪い、会議中にモノを投げつけるなどのパワハラ行為(中には胸部骨折の人もいた)を働く、医療の社会保障費が国の予算を圧迫させているのにジャブジャブの税金を刷って資金の横流しや収賄などの行為に手を染めている…などあらゆる大泉の悪事を藤巻に暴露。
久留米は白鳥が好きこのんで殺害するのではなく、医療界にとって癌(がん)となる大泉を失脚させるために殺害に関与している…と説明。
藤巻はすべて久留米による妄想と否定し、久留米にギフトの件について我関せずにいてほしいと懇願。
大泉の別荘・軽井沢には自分が行くと藤巻は説明、久留米は病院に残ってギフトの培養に取り掛かると説明し、両者合意した。
ーー大泉の死
そして運命の日、大泉は趣味のゴルフを楽しんでいた。
その場にいた群司は藤巻の存在が白鳥の殺害を阻止する、または殺害をためらう抑止力になるかもしれない…とし、藤巻はさながら必要悪のような存在であった。
白鳥と大泉は楽しく語らっていたが、藤巻と群司は一瞬の隙も見逃さずに白鳥と大泉を警戒していた。
ギフトの30度以下になれば消滅するという性質は、冷たいコップの飲料水にギフトを仕込む上で非常に困難を極める。
白鳥がどのようにギフトを仕込むのか、群司と藤巻は常に監視していた。
その頃、峯岸の第一秘書から大泉にぜひ会いたいとの報告が。
しかしあまりに急すぎるので大泉は却下。
ついにその日は何も起こらず藤巻と群司は一安心。
郡司は人を殺したくないのに殺さざるを得ない…そんな辛い心境にある藤巻を気遣い「相談してくれ」と慰めた。
しかし藤巻は秘密を探れば今度は郡司にまで危険が及ぶとし、「相談なんてありませんから…。」と言い残した。
そこに大泉が来たが、ワインの栓抜きを知らない、ワインを持参しない藤巻のことを「それで教授が務まるのか?」と皮肉を言う。
しかし郡司はその2人に割って入り
「ボンクラにはボンクラなりの使い方がある…」とフォローを入れた。
だが、その含みを持たせた郡司の台詞はとんでもないことを示唆するものであった。
その刹那…
藤巻は「まさか…。」と言い、大泉がワインを一口喉に流すと「大泉先生‼︎ 飲まないでください‼︎」と叫んだ。
すると大泉はその場で昏倒。
白ワインが冷えていたこともあり、球菌の殺傷力は弱まっていたが、アルコールとの親和性もあってギフトは徐々に大泉の身体を蝕んでいく。
郡司は何食わぬ顔で大泉の心肺蘇生を行い、「自分がいればもっとギフトをうまく使いこなせる」と言い、大泉の死因を急性心不全として扱う。
さらに液状検体(ギフト)の調べを藤巻に託し、それを断れば妻・真帆の真菌細胞シートの取り消しをすると脅迫。
ついに郡司は藤巻の胸ぐらを掴み、「お前が育てたギフトだろ…‼︎最後まで責任取れよ‼︎」と怒鳴りつけた。
藤巻はその場で調べを行い、わずかなギフトの存在を確認。
外気温3℃、首が冷やされて消滅スピードが速まったと結論づけた。
汚職まみれの大泉の死に郡司は喜んだが、藤巻は郡司の誰よりも患者と向き合う姿勢がすべて偽りだと知り肩を落としてしまう。
結局、郡司も上昇志向と見栄と欲望の塊だったのである。
その頃、藤巻のLINEに久留米から「守れましたか?」と通知が入る。
一方、大泉の行政解剖が始まり、白鳥と郡司は次のターゲットを定めていた。
そんな様子に耐えかねた藤巻はギフトをすべて破棄すると言ったが、妻・真帆の命が握られているので2人のやり方に賛同せざるを得なかった。
ーー交錯する思惑
ついに真帆のオペの準備が整い、治療室に運ばれる。
白鳥は真帆のオペを行い、藤巻は外の部屋で待機していた。
着々とオペが進む中、心嚢(しんのう)が真菌に沈着、真菌を傷つけないため慎重に剥離を行う白鳥。
かなりハードルの高い治療なため、出血多量で真帆は生死の境をさまよっていた。
懸命な治療のすえに血圧はみるみるうちに回復、心拍も正常値に戻る。
白鳥はこの際、超音波メスで真菌を傷つけるリスクを抑えるより最短時間で真菌シートを貼り付けるのが最善の治療法だ、と話して全員が納得。
ついに白鳥が治療室から出てきたが、オペは成功、内出血と心嚢の沈着がひどかったものの、真菌細胞シートがうまく機能すれば命に別状はないと藤巻とあかりに診断結果を話し、あとは経過観察を待つのみ、と結論づけた。
藤巻とあかりは喜び、藤巻も白鳥に感謝したが、白鳥は立ち去る際に「これからもギフトを頼みますよ。」と藤巻に言い残していった。
藤巻はすぐに「私がギフトの培養に協力するのは妻の手術が終わるまでと言ったはずです…‼︎」と反論したが、白鳥は特性心不全を起こす可能性を指摘、さらに主治医である自分が真帆の面倒を見ることに意味があるとした。
その後、藤巻は何を思ったのか夜景を眺めていたが、そこに神林がやってきた。
すると神林は伊集が今際に飲んでいた水筒の中に指紋が付着していたことを確認、一人暮らしである伊集には自分以外の指紋が付着するわけがなく、神林は藤巻と白鳥の指紋を知らずのうちに採取し、結果、白鳥の指紋がぴったり照合したと説明。
しかし指紋だけでは証拠不十分であり、白鳥はそれを理解してか指紋を拭き取る作業をしなかった。
神林は藤巻が白鳥に命じられて毒物(ギフト)の製造に関与していると疑いの目を向けたが、藤巻は「勝手なこと…言わないでください。」とその場を立ち去ろうとする。
しかし神林は娘・琴葉の主治医である白鳥が殺害に関与している被疑者だとしたら、そんな人に娘の命を預けていいのか…!と悲痛の声を上げる。
藤巻はそれでも「僕から言えることはないです…。」と言い残してその場を去った。
藤巻はその後、自分の病理室に戻り、自暴自棄になって部屋を荒らしてしまった。
ついにギフトの栓を開けそれを吸って自殺を図ろうとするが、間一髪のところで久留米に止められる。
久留米は軽井沢に行き大泉の遺体と対面したことを明かしたが、ギフト事情にしつこく踏み込んでくる久留米を「いい加減にしてくれ‼︎」とのけた。
さらに久留米を愛宕やその他患者の殺害に関わった真犯人と決めつけ取り乱したが、久留米は「それは誤解です。藤巻先生が心配だからです。」と真顔で反論。
藤巻はそんな心配程度でこれほどまでに大きなリスクを取るわけがないとし、ギフトの真犯人であると疑っていたが、ここで予想の斜め上をいく久留米の台詞が待っていた。
それは
「違います。
私はただ… 藤巻先生に好意を抱いているのだと思います。
藤巻先生が好きだから、放っておけないんです。」
というツンデレの告白だった。
では一体、真犯人は誰なのか…
ますます迷宮入りするギフト事件。
次回では連続殺人を止めることができるのか?
藤巻の行動に期待だ。
〜3話終了〜