〜必殺残悔拳‼︎ 不毛な荒野に明日をみた‼︎〜
ーーあらすじ
夕日が照らす荒野…。
寂れたゴーストタウンの中、1人夕日をみつめるリン…。
夕日を100回見送ってもケンシロウは帰ってこない…
そんな長老の言葉にリンは「来るもん!ケンは帰ってくる。きっと帰ってくる‼︎」と反論。
リンはケンシロウの帰りをいつまでも待っていた。
ケンシロウは恋人であるユリアの夢を見ていた。
ユリアの居場所がわからず、「ユリア…どこにいる…。」と空を見上げてつぶやいていた。
そこに車に乗ったバットが来たが、Z666(ジード)の襲撃だと思ったケンシロウは警戒して身を隠していた。
気配もなく突然現れたケンシロウに対し、バット曰く「忍者みたいだな…。」と。
バットはそこら辺に落ちていた部品を組み立てて1台の車を作り上げるほどメカに精通している。
バットは自分のメカの腕を「アルキメデスかエジソンかってところ。」と自慢していた。
そんな風来坊のバットとともにケンシロウは車で移動し、途中で何かの気配を察したケンシロウはZの集団を発見。
そこにはZに暴行されている種籾(たねもみ)のおじさんがいた。
Zは種籾をよこすようおじさんに脅迫し、ボウガンを突きつけた。
バットは弱肉強食の世界では日常茶飯事だとして見て見ぬふりを決め込んだが、ケンシロウは水泳フォームのごとく、高台からZを奇襲。
Zのボスはボウガンの矢をケンシロウに向けたが、
ケンシロウは「一子相伝・北斗神拳の前ではボウガンの矢は止まった棒に過ぎない。」と揶揄。
Zはボウガンを放ったがするりと避けられ、さらに2度目の外した代償としてZのボスは右目を失うはめになった。
二指真空把(にししんくうは)によりボウガンを跳ね返されたため。
Zの集団は退散したが、バットはこの関東一円を支配しているKINGの勢力の一角がZだと説明。
ケンシロウはコソ泥のバットの「狙った獲物は逃さない」というモットーを戦意高揚に利用し、「(奪われた)種籾を取り戻してこい。」と命令。
バットは「そりゃ無理だぜ…相手はKINGだぜ‼︎」と弱音を吐き、ケンシロウは呆れた。
しかしバットは気が変わり、「種籾はオイラに任せろ‼︎」と言い残して車で突っ切った。
一方、Zのボスであるスペードは看病されていたが、そこにバットが現れた。
バットは「世界に1つしかないハンドメイドのSpecialティーカートをKINGにプレゼントする」と言い、Zに取り入ろうとする。
Zが車に気を引いている間にバットは敵のアジトに侵入、おもちゃのネズミを使って看守の目を欺き、種籾を取り返した。
しかし外にいたZの集団はバットの車を「ポンコツ」と称し批判。
バットは車に乗り込み、ガス欠を起こして荒ぶった運転を披露、Zは笑っていた。
その後、バットはある程度離れた場所でアクセルを全開にし、敵のテリトリーから抜け出すことに成功。
Zはしばらくして種籾が奪われたことに気づき、村を襲撃しようとした。
バットはこっそり種籾を食べようとするが、ケンシロウに止められて1粒の種しか食べられなかった。
ケンシロウは種籾をおじさんに渡し、おじさんは喜んだ。
この種籾さえ撒けば豊作に恵まれ…
食糧の奪い合いや争いもなくなると話した。
「今日よりは明日…。」
ケンシロウがこう言うと、
「田には米が実り… 野には花が咲き乱れ… 空には雲雀(ひばり)がさえずり… 川には魚が泳ぐ…」
半年のすえに集めたこの種籾は、かけがえのない宝物であった。
ケンシロウはおじさんを担ぎ、種籾じいさん出身の村に向かうことに。
村では物々交換が行われていたが、宝石や貴金属などの代物はすべて「値打ちがない」と判断され、食糧だけが取引できた。
それほどまでに貧しい村だった。
望遠鏡で確認した村人は、ミスミおじさんを乗せた車をとらえた。
ミスミおじさんの帰りを喜ぶ村人。
しかし背後にはZの魔の手が迫っていた…。
ミスミおじさんは種籾を村に届けてくれたケンシロウに最大限の感謝の言葉を告げた。
その後ケンシロウはバットに車を発進するよう命令。
バットはおこぼれすら貰えないことに不満を抱き、発進をしぶる。
ケンシロウは赤ん坊の泣き声を聞き、なぜ泣いているかバットに質問。
バットは「ガキは鳴くもんさ。」と返したが、赤ちゃんが泣いている理由は母乳が出ないことによる飢えだとして「誰もが飢えている。」と説明。
バットは「わかったよ…。」と言って渋々発進。
しかしその途中、Zの集団が村を襲撃し皆殺しを開始。
Zと行き違いになったケンシロウは少し遅れて村に到着、
だが時すでに遅し…
種籾のミスミおじさんは背後から槍を刺されて絶命。
「明日が…明日が…。」
ミスミおじさんはこう言い残して力尽きた。
それを嘲笑うZのボス・スペード。
ケンシロウは怒りを爆発させ、胸の7つの傷を光らせて「貴様らに今日を生きる資格はない‼︎」とぶった斬る。
ケンシロウはZの罠で両腕を拘束され、Zはオノを投げつけた。
しかしケンシロウは軽くオノを跳ね除け、人間は潜在能力の30%しか引き出すことはできないが、北斗神拳は残りの70%の能力を使うことに極意がある‼︎とし、最後に岩山両斬波(がんざんりょうざんぱ)を披露。
I字型にケンシロウのチョップの手がめりこみ、敵はその場で死亡。
最後に残ったスペードは必死の抵抗をするがケンシロウに羽交締めにされ、両腕をへし折られた。
とどめに北斗残悔拳(ほくとざんかいけん)を突かれ、指を離した7秒後に死亡宣告。
これは708ある経絡秘孔のうちの頭位(とうい)である。
カウントダウンが始まり、うろたえるスペードは7秒後に爆散。
惨めな最期であった。
一方、リンは村を抜け出してケンシロウを車で追っていた。
ケンシロウはミスミおじさんの墓標を立て、形見でもある種籾を墓周りに撒いて「そんなところに撒いたってみのるわけねーだろ」とバットに言われたが、「みのるさ…下に老人が眠っている。」とケンシロウは墓標の下に眠るミスミおじさんの弔意を込めた。
〜2話終わり〜
ーー2話感想
わずかな食糧にしのぎを削って無益な争いや殺傷を繰り返してしまう弱肉強食の社会。
そんな社会のストッパー的役目を果たすであろう種籾は、ミスミ爺さんにとってどれだけ大事なものであったかは計り知れませんね。
そんな願いを無惨に踏みにじるZ集団。
生きることの大切さを改めて知る機会になりました。
余談ですがバットがZの集団に馴染むシーン、
あのシーンだけZがマシな集団に見えてしまいました(笑)
いや、バットのアジテーション力の賜物でしょうか。
とっさに「世界に1つしかないハンドメイドのSpecialティーカート」みたいな台詞がポンと出てくるのはバットの才能ですよね。
間違いなくケンシロウではなし得ない芸当です(笑)
また、少し気になったのがリンが車を運転するシーン。
わずかなコマしか描かれていませんが、無免許にも関わらずあんなにスイスイ運転できるものか?と少し疑問に思ってしまいました。
実はリンもメカに詳しかったりして…
とにかく色々ツッコミどころ満載の回でした。
次回も楽しみですね。