グレイトギフト 第1話 サバイバル医療ミステリー開幕!

〜サバイバル医療ミステリー開幕!〜

 

ーーあらすじ

 

愛宕克己(山田明郷)は元内閣総理大臣

1年前、原因不明の急性心不全に陥り、僧帽弁形成術を行い、心肺停止状態から蘇生術を行ったが、そのまま帰らぬ人となった。

名教医大病院の病理部を担当する藤巻達臣(反町隆史)。

愛宕司法解剖の結果、首筋に黒ずみ部分を発見した藤巻。

ただの心不全で病理解剖される上級国民の特権階級に皮肉を言う同期の郡司博光(津田健次郎)。

本当に心不全かどうかを疑う久留米穂希(波瑠)。

さらに殺人の可能性も捨てきれないとした。

愛宕司法解剖が進むものの、

腹膜と臓器の癒着はない、腹水も少量、冠動脈が柔らかい、心臓と肝臓の計量測定など、一般人にとって難解な医療用語が飛び交う中、首元の黒ずみがやはり気になるので内側から注射して試験管に採取することに。

そこに小さな嚢胞(のうほう)があった。

司法解剖が終わり、事務長の本坊巧(筒井道隆)は心不全と即断を急ぐ。

そこに愛宕の妻と知人が立ち入り禁止の病理室に押し入り、愛宕の臓器(心臓)を見せるよう要求。

さらにかねてから隠蔽体質の明鏡医院を批判し、少し取り乱していた。

実は愛宕には愛人がおり、その愛人とは相続問題で揉めていた。

弁護士が新たな遺言書を作成していた途中だったが、自分に不利な遺言書を書かせないよう愛宕を殺害した、という疑惑も浮上していた。

また、愛人が愛宕心不全を誘発するために毒を盛った、という見方も有力だった。

しかし事務長の本坊は遺族のご意向もあって待ちきれずに暫定診断を仰ぎ、「愛宕の死因は心不全だった」と問題の揉み消しと隠蔽に力を注ぐ。

典型的な事なかれ主義であったが、それは理事長である奥野信二(坂東彌十郎)のご意志でもある、と断言した。

しかし藤巻はやはり愛宕の死因に疑問を抱き、司法解剖を続けた。

点状出血がある、心臓は特に異常はない、冠動脈の硬化も軽い、アミロイドの沈着もない…などと、1つ1つの体の部位を念入りにチェックし、死因の特定を急いだ。

藤巻は1人で作業したほうが捗るということで、事務長に無断で個室(研究室)を作っていた。

そこで三重警部から採取した液状検体を使い、黒ずみを発見。

組織液のようだが、顕微鏡によく目を凝らすと球菌…活動停止…とぶつぶつ言いながら、何かが見えてしまった藤巻。

そして球菌らしきものは消滅。

検体採取から1時間程度で球菌が消滅する。

それを横目に見ていた本坊はサルモネラ菌ビフィズス菌などの感染症を疑ったが、藤巻は「新種の可能性がある…」と真面目な顔をして言い放った。

ウイルスと菌は異なる…コロナとは異なる新種の感染症の存在をほのめかし、院内感染が広がることを危惧した藤巻は、外部からの調査を求めたいと要求。

本坊は世間体を考慮してそれをためらい、念の為手の消毒を済ませて帰宅した。

その後藤巻のもとに心臓外科の郡司から医局に来るよう言われ、郡司は藤巻に球菌の特定を急ぐよう頼んだ。

白鳥稔(佐々木蔵之介)は先日行われた理事長選に敗れ、病院の問題には特に敏感になっていた。(これ以上不祥事を重ねたくないため)

藤巻には病院で寝たきりの妻、藤巻麻帆(明日海りお)がおり、藤巻は面会をした。

看護師からはまだドナーが見つかっていないことを言われ、さらに治験の最終段階で収容するには厚労省の許可が必要であることも言われた。

藤巻はその場を去り、再び研究に取り掛かった。

麻帆は実は明鏡医院の看護師で郡司の元カノであった。

藤巻が研究熱心でクソ真面目な人間ということもあり、妻からは敬遠されていた(と飲み会で郡司は話していた)。

同期の穂希もその手の真面目キャラであり、自己管理・勤怠管理に余念がなく厳しかった。

さらに穂希は自分と同じ真面目な藤巻とは波長が合いそうとぶっちゃけていた。

一方、藤巻は新種と断定し、研究をようやく終えた。

帰りに妻の好物であるプリンを買いに行ったが、妻はすっかり寝ていた。

その頃、明鏡医院の理事長である奥野が病理部の藤巻に面会を要求し、奥野がいるアルカナムボーイに招かれた。

そのときすでに時間は深夜だった。

3000万円の束の札を詰め込んだアタッシュケースを取引する奥野を見て、少し怪しむ藤巻。

この時点では明かされていないが、理事長選の裏で巨額の金が動いていたのかもしれない…。

奥野の仲間曰く「頼もしい方が理事長になった」。

新種を特定した藤巻は奥野に研究結果を提示するが、奥野は新種の感染経路や、飛沫なのか接触なのか、はたまた誰かが意図的に患者の体に(新種を)入れたのか、藤巻に対して質問攻めを繰り返した。

その詳細は不明で、藤巻は言い淀んでしまう。

その藤巻に対して奥野は失望し、「だからお前は万年講師なんだ。」と罵倒する。

さらに新種の公表をしぶる奥野は、藤巻に対して秘密裏に研究を進めるよう促す。

それはほとんど自分の保身のためでしかなかったが。

奥野は藤巻との会話中、複数の女と戯れていた。

それを不審目に見ていた藤巻は、その場を去った。

しかしアルカナムボーイを後にした藤巻のもとに、奥野の隣にいた女性が引き止めた。

その女性の名前は安曇杏梨(倉科カナ)。

実は愛宕の愛人であった。

杏梨は愛宕に合わせてほしいと藤巻に頼み、奥野に秘密で愛宕の遺体と会うことに。

それに安易に触ろうとする杏梨に対して藤巻は「病原菌は、宿主の死後も生存し続けることがある」として注意した。

杏梨はそんな藤巻の神経質な性格を嫌い、「私、力のある人が好きなんです。あなたと正反対の。」と言い残してその場を去った。

 

ーー球菌の特定

 

その翌日、感染地獄の夢オチを見た藤巻。

娘の藤巻あかりはいつものように料理をしていたが、藤巻の妻の容態が急変したことを伝えられてすぐに病院に駆けつけた。

看護師らはDCをかけて応急処置、サイナスに戻って一時容態は回復したものの、組織収縮機能が低下していることを指摘、命は依然として危ないことを藤巻に伝えた。

さらに心筋細胞シートを使う許可はいまだ厚労省から降りておらず、許可をひたすら待ち続けている、という状況だった。

家族に興味がない藤巻が妻の危機に際して父親として振る舞うことに娘のあかりが激怒した。

藤巻は途方に暮れ、ついに奥野に厚労省への心筋細胞シートの使用許可を打診。

政財界に顔のきく奥野であれば、厚労省の許可も得やすいと考えた末の判断であった。

藤巻は奥野にあらためて自分の研究結果を詳細に伝えた。

愛宕の胃の粘膜にわずかなダメージがあったこと、球菌は胃から侵入していたこと、球菌は口腔から侵入すると胃から血管に入り込んで心臓へ到達すること、その後球菌は血流に乗って右頸部の頸動脈流に集まり、そこで初めて宿主が死亡するという膨大な研究結果を提示。

その上、集まった球菌は皮下組織に嚢胞を作り、その中で生き延びるためにその嚢胞が皮膚の上から黒い斑点となって浮き出る、と結論づけた。

愛宕司法解剖のときにはすでに球菌は死滅していたとの事。

また、球菌は温度の低下に左右される性質を有していた。

藤巻は誰かが意図的に愛宕を殺したと断定し、この球菌を”殺人球菌”として警察に通報するよう奥野に促したが、奥野は「確たる証拠はない」として否定。

そして妻である藤巻真帆への治療を優先させることを条件に藤巻は警察に通報するのはやめ、心筋細胞シートの使用許可を得るために「妻の命を救うこと」を選択。

奥野は渋々承諾した。

藤巻は研究室で球菌のデータを破棄し、妻の救命と引き換えに球菌の問題を隠蔽しようとした。

もちろん不本意であったが、藤巻は愛宕の死因を急性心不全と判断した。

しばらく経って藤巻麻帆の心筋細胞シートの使用許可が降り、娘と妻は喜んだ。

そして再び急患があり、危篤状態の老人を乗せたベッドが治療室に運ばれる。

しかしその老人の首筋には、愛宕の時と同じような黒い斑点があり、藤巻はレントゲン結果の末に球菌の生存を確認する。

やはり球菌の存在を危険視したのか藤巻は奥野のところに行き、警察に通報することを打診。

奥野はまたしても否定し、「病床数800以上の病院で心不全の病死者が出ても違和感ない」と暴論を展開。

さらに藤巻に対して警察に通報すれば心筋細胞シートの使用許可を取り下げると脅迫。

奥野の理事長室から出てきた藤巻は、白鳥とばったり出会う。

白鳥は前述した通り、理事長選で奥野に敗れたという経緯を持っていた。

白鳥は患者のために働きたいという強い志を持ち、そのために理事長選に出馬したと胸の内を明かした。

しかし2人の間で不穏な空気が流れ、藤巻は白鳥を研究室に招く。

室温25度の環境下では、殺人球菌はまだ生きていることを白鳥に教える。

それを見た白鳥は「奥野の悪事を暴いて2人で一緒にこの病院を守ろう」と約束し、水曜日に開かれる教授会で殺人球菌を証拠品として提出することを決めた。

白鳥は藤巻に殺人球菌の培養を依頼し、藤巻は教授会まで証拠品として保存することに。

さらにそこで理事長の解任動議も表明し、奥野を政財界から失脚させることを計画。

藤巻がたとえ任意責任で解雇されても妻のことは絶対に自分が責任を持って治療すると約束し、両者合意した。

そして藤巻は球菌の培養に成功。

袋に入れた球菌は、推定値でも人間の致死量をはるかに上回る。

そして温度管理が重要だということも理解した。

(30度以下だと球菌は1時間以内で消滅してしまう)。

この培養した球菌は白鳥に預けた。

 

ーー真犯人は誰なのか

 

そして運命の教授会の日…。

奥野は会議の音頭をとったが、教授ではない藤巻が出席していることに疑念を抱き、強制退会させようとする。

しかし事前に飲んだ水が原因で、突然奥野はその場で昏睡。

そのとき、奥野の首筋にはやはり黒い斑点があった。

藤巻は白鳥に追及し、白鳥はついに奥野の水差しに球菌を仕込んだことを白状。

高い志を持つ白鳥、しかし日本の医者は大体が権力に溺れている、

そのような縦社会に耐えられなかった白鳥は医療界のトップを目指すべく理事長の奥野を失脚させようとしていた。

これにより殺人球菌であることも実証され、

「これは神から贈られた偉大なるギフト」と…

こう言い放った。

警察に通報すると藤巻は言ったが、奥野理事長の隠蔽工作に加担した藤巻は逆に責任を追及され、さらに自分は医療界のトップになれる…という、知らずのうちに漁夫の利的な図式が出来上がっていたのだ。

さらに藤巻の妻を人質にされ、弱みを握られた藤巻は不本意ながらも殺人球菌の培養に取り掛かることを承諾。

その際に警視庁捜査課の2人が藤巻と白鳥のところにやってきて奥野を行政解剖に回すかどうかの判断を仰いだ。

白鳥と藤巻は「急性心不全」として解剖は見送ることに決め、白鳥は藤巻に対し「あなたとはいい同志になれそうだ…」と微笑んだ。

真犯人像は未だ掴めず… 白鳥の殺人計画に加担してしまったためさらに捜査は難航。

そして藤巻にある1通の手紙が届いていた。

そこには、

私の球菌を勝手に使いましたね。代償を払っていただきます。」と恐怖のメッセージが綴られていた…。

 

〜1話終わり〜