〜光なき街に孤拳が燃えた! 爆殺五指烈弾〜
ーーあらすじ
1人の美しい女性がハープを弾いていた。
その名はユリア。
その後ろでビール入りのカクテルを揺らしつつ、「スペードは敗れ去った。だが… まだ俺には3枚のジャックがいる。」と口にする金髪ロン毛の男がいた。
その名はKINGの首領であるシン。
一方、ケンシロウの相棒バットは広い砂漠をあてもなく彷徨っていたが、野生の鷲にクチバシで背中を突かれ、はっちゃけていた。
その途中、バットはトラックの後ろで閉じ込められていたリンを発見。
しかしそのトラックは止まることなく走り続けてしまった。
バットは村人が労働の担い手として各地の村人を拉致し、奴隷としてこき使っていると説明。
もちろんリンもそのような目的で攫われたのだと推測。
さらに奴隷として働かされる場所はKINGの縄張りとなっており脱出は困難だと…
リンの身の危険を感じたケンシロウとバットは車を発進、奴隷がいる村へと向かう。
案の定、村では奴隷として村人が強制労働に課され、KINGのメンバーが鞭を振るうなど乱暴を働いていた。
ケンシロウとバットは物陰に身を潜めたが、ケンシロウは遠くの十字架の旗マークに目をつけ、「ブラッディクロスの紋章…なぜここに…。」とつぶやく。
村人は過重労働に疲弊する中、ある1人の男が十字架にくくりつけられた男の子に弓矢を向けていた。
足元が震え、弓矢の向こうにいるのはなんと自分の息子であった。
これはこの村を統治するKINGメンバー・ダイヤによる非情な命令によるもの。
ダイヤにとってみれば「毒を以て毒を制する」のような状況なのだろう。
男は「できません…!」と言い、その場で倒れ込んでしまう。
ダイヤの部下がそこに乱入、弓矢のエイムを男の子にぴったりと合わせ、弓矢を放つ。
しかし間一髪のところ、ケンシロウが弓矢を受け止め、男の子を救った。
ダイヤは突然現れたケンシロウに得意の棒術を使い、ケンシロウに多数の切り傷をつけるが、「あくびが出るぜ。」と馬鹿にされた挙句、上空に打ち上げられた。
そして滞空中ケンシロウに交首破顔拳(こうしゅはがんけん)を突かれ、かの有名な断末魔「ひでぶ〜‼︎」を残して死亡。
その後、KING軍が村に大挙し、7つの傷の男(ケンシロウ)を始末するためクラブが移動を開始していた。
ケンシロウとバットは夜まで身を隠し、バットはターバンをかぶり、敵のアジト(奴隷場)で潜入捜査を開始。
村人は畑仕事に駆り出されたり、鉄の鋳造をして武器の製造に協力されていた。
バットはリンの居場所を突き止めるため、奇妙な音(犬の鳴き声)のする方向へ足を進める。
リンは敵の防具を磨かされていた。
バットは結局リンを見つけることができず、夕日の向かう空へ「リン…。」と言い、リンとの思い出や感傷に身を浸していた。
バットは笛を吹き、その音色に誘われて子犬がバットのもとに舞い込んでくる。
このワン公はリンの愛犬だった。
バットはリンの居場所を突き止め、ついに感動の再会を果たした。
しかし感動も束の間、リンには頑丈な足枷がつけられており、足の自由が奪われていた。
その夜バットは再びケンシロウとともにリンのもとに向かい、ケンシロウは見張りの看守に経絡秘孔の1つ頭顳(ずせつ)をついて記憶喪失に陥らせる。
さらに遠くのほうで村人の悲鳴が聞こえたのでケンシロウは悲鳴の方角へ、バットはリンの救出へと向かい、二手に分かれた。
遠くでは村人とクラブとの殺戮ショーが行われており、村人の死体の山が築かれていた。
「次は誰だ?」
クラブがそう言うと、暗がりの中からケンシロウが現れた。
そしてケンシロウの胸の7つの傷を見るとケンシロウの存在に気づき、戦闘の構えをとる。
ケンシロウは村人をもて遊ぶクラブに「貴様に今日を生きる資格はない。」と言いのけた。
クラブは鉤爪を装備し、ケンシロウの胸に切り傷をつけたが、その後五指烈弾(ごしれつだん)を両手の甲に突かれ、さらに経絡秘孔の1つである命門(めいもん)を当てられた。
30秒後、背骨が真っ二つに折れ、「助けてくれ〜‼︎」という必死の命乞いも虚しく死亡。
惨めな最期であった。
その後バットはリンの救出に成功し、ケンシロウとリンは感動の再会を果たした。
KINGの居城ではダイヤクラブが7つの傷の男に敗北したとKINGの部下2人がシンに報告。
シンは敵前逃亡を犯した2人をその場で処刑。
シンは拳法殺しと呼ばれたハートを呼びつけ、次回、ついに4ジャック最強のハートをケンシロウに差し向ける。
ーー3話感想
KINGという名の組織を結成し、各地で奴隷制を敷くシン。
敵の失態を咎め、その場で見せしめとして処刑するシン。
非道に次ぐ非道。
シンがついに初登場し、KING編の物語が徐々に見え始めてきた矢先、
リンが行方不明になったり、紫髪の女性がケンシロウの存在に反応したりと、まだその大部分が謎やベールに包まれています。
また、ケンシロウが回を増すごとに口数が減っていく…というジンクスはさらにその後説得力を増していくでしょう。
この時点では比較的マシなほうなのですが、やはり拳法家としてはすでに人間離れしているというか、規格外の強さです。
この先、シンの選りすぐりの部下が次々とケンシロウに立ち向かいますが、皆、火花のごとく散り去っていくのか、それともケンシロウに一矢報いる猛者が現れるのか?
今後の展開に期待ですね。