〜ブラッディクロスを撃て‼︎ 秘拳・柔破斬〜
ーーあらすじ
KING軍の首領、クラブがケンシロウに敗れ去り、本格的にケンシロウ打倒のため動き出すKING軍。
ケンシロウ、バット、リンは納屋に身を潜めており、KING軍が去った後、ケンシロウはリンに「なぜ来た。」と質問する。
リンは「ケンに会いたかったの…」と曖昧に返したが、村を出た途中トレーダーがKING軍に襲われ、奴隷として顎でこき使われた経緯を説明。
さらに自身が天涯孤独の身であるため、リンはケンの優しさに惚れたのだ。
リンは辛くも逃げ延びたが、他に牢屋に収容されている村人は30人ほどいた。
ケンシロウは夜明けを確認、村人30人を救う決意を固める。
ーーハート様の登場
KING軍はケンシロウがいつまでも見つからないことにヤキモキしており、バーで酒を嗜んでいた。
カクテルに丁寧にワインを注ぎ入れるバーテンだったが、それが遅いという理不尽な理由でバーテンを殴りつけ乱暴する。
その途中、「おやめなさい。」という紳士的な声が聞こえたので2人は「なんだとぉ‼︎」と振り返ったが、その後ろにはKING軍のボスであるハートがどっしり構えていた。
部下の失態を嗜めるハートだったが、バーテンには紳士的に振る舞い、敵キャラとしてはできた人物にも見えたが…⁈
酒を飲もうとカウンターに手をついた際、割れたカクテルの破片がハートの血を誘い、ハートは狂乱状態に陥る。
まさに二重人格であった。
ハートは暴走し店内を荒らしまくったが、部下はハートを気絶させるために棍棒を一斉に投げつけた。
しかしハートのメタボ腹に食い込んだ棍棒が脂肪の吸引力にあらがえずに慣性の力でその後反射。
棍棒はほとんどの部下の顔面に直撃し、凄惨な現場となった。
その後ハートは冷静を取り戻し、「またやっちゃった…。血は嫌いなのに。」と言い残してその場を去った。
一方、村人30人が収容されている牢屋にケンシロウは単身で侵入するため、巨大な岩石を収容所めがけて転ばせ、見張りの2人の注意を逸らした。
その振動で皆浮き足立つものの、その岩石の上にはケンシロウが立っていた。
「何者だ‼︎」
そう叫ぶKING軍を得意の北斗神拳で一網打尽。
「北斗四方斬(ほくとしほうざん)」
KINGメンバーは爆散し、7つの傷の男の登場により事態は混乱する。
一方、崖の上で待機していたバットは自分の見せ場を作るために独断で敵のアジトに侵入、それを止めたリンもなし崩し的についてきたものの、牢屋はやけに静けさに満ちていた。
牢屋越しから村人の声が聞こえ、ついにリンは村人との再会を果たした。
バットは内鍵を使い、牢屋を開けようとするが、なかなか鍵穴が合わずに苦戦するバット。
さらに居眠りをしていた看守が鍵の音で目覚めてしまい、問答無用で棍棒をリンバット2人に振りかざすが、ケンシロウが背後から石を投げつけ看守を気絶させた。
間一髪であった。
ケンシロウは「動くなと言ったはずだ。」と少し怒っていたが、その後牢屋をこじ開け村人30人を解放。
バットはなぜか得意な顔をしていたが、村人30人は誰も聞いていなかった。
バットは敵の懐から食べモノを漁り、村人は久しぶりの朝日の照り輝く景観に感動を覚える。
ケンシロウはその様子を微笑んでいたが、背後に掲げられたブラッディクロス(十字架の紋章をあしらったデザインの旗)を見てシンの存在を感じ取る。
一方、シンの居城にいるユリアは朝日の向かう方向にケンシロウが生きていることに希望を見出すが、シンは民衆から強奪した宝石やダイヤなどの貴金属類をすべてユリアにプレゼント。
ユリアは首を振り、宝石やダイヤなどの貴金属を集めるためにどれだけの人が犠牲になったのかを嘆くばかりであった。
いくらダイヤでユリアの気を引こうがユリアがシンになびくことはなかった。
「力こそ正義だ‼︎」
そう言いつつ手に持っていたダイヤを粉々に砕き、暴力が支配するこの世界に価値を見出すシン。
ユリアとは真逆の思考だった。
そのもとにジョーカー(KING軍の参謀)が現れ、ケンシロウの存在をシンに報告。
シンはわざわざ地獄に戻りにきたかと嘲笑していた。
拳法殺しのハートを差し向け、ケンシロウの首をユリアの眼前で見せればついに心を開いてくれる…という狂気めいた考えを抱いていた。
広大な砂漠の中、ケンシロウにより解放された村人30人は故郷に向かって歩き続けていた。
その途中、あまりの暑さに疲労を隠せない村人もいた。
ケンシロウは列の最後尾についていた。
しかし村人の1人がバテてしまい、その場でうずくまってしまう。
リンは心配したものの、ケンシロウはその村人にある秘孔をついたため、村人の生気はみるみるうちに回復。
岩山に向かってひたすら歩を進めた。
その途中、背後からKING軍の軍勢が押し寄せ、ケンシロウはバットに村人全員を岩山に避難させるよう促した。
ケンシロウは単身KING軍に挑むことを決意。
その場で立ち尽くしていた。
KING軍はケンシロウに帰れと言われたが、当然聞く耳を持たずにケンシロウに襲いかかる。
KING軍は全滅、リンとバットはホッと胸を撫で下ろしたが、その安心もつかの間、岩山に待ち構えていたのはハート率いるKING軍であった。
まさにぬか喜びであり、先回りしていたKING軍と鉢合わせになってしまったのだ。
村人30人はKING軍に襲われ、パニック状態に。
ついにはリンとバット2人だけになりすべての棍棒を投げつけられたが、ケンシロウが棍棒を止めてみせ、間一髪で2人を救出。
しかし村人のほとんどはKING軍の猛攻により死亡、ケンシロウは怒りを爆発させた。
その後ハート率いるKING軍はケンシロウにも襲いかかったが、ほとんどが全滅した。
「北斗百方斬(ほくとひゃっぽうざん)」
「お前で最後だ。」
ケンシロウはそうハートに宣戦布告したが、ハートは躊躇いもなくケンシロウに攻撃の猶予を与える。
ケンシロウはパンチを突き出したが、ケンシロウの腕はハートの腹部にめり込んでしまい、経絡秘孔(北斗神拳)がまるで通じなかった。
さらにその後ハートによる張り手でケンシロウはダウンし、脳震盪を起こしてしまう。
ハートを打ち破ることができるのは南斗聖拳の使い手であるシンのみ、と説明。
そこに
「天空に2つの極星あり。
すなわち…北斗と南斗。
森羅万象、二極一対、男と女、陰と陽。
暗殺拳しかり…
北斗の拳と南斗の拳。」
というナレーションの説明が入る。
ケンシロウは立ち上がり、「北斗の拳は無敵だ‼︎」と勝利宣言。
背後にいたジョーカーはトランプを投げつけてハートの頬に切り傷をつけ、血を見させる。
案の定、ハートは狂乱状態に陥る。
ケンシロウに襲いかかるが、ケンシロウは「もう一度言う。北斗の拳は無敵だ‼︎」と再宣言し、ハートの腹を執拗に蹴りつけ、膨らんだ腹部の髄に「北斗柔破斬(ほくとじゅうはざん)」の腕をめり込ませた。
その後ハートは「ひでぶ‼︎」という断末魔を残し、その場で爆散。
背後にいたジョーカーは不気味な笑みを浮かべつつ瞬間移動で退散。
偉大なるハート様の人生にピリオドが打たれた。
ケンシロウはKINGをシンだと断定、ユリアを取り戻すため、地獄の果てまでも追い詰めると宣言した。
ーー4話感想
原作に相違なくアニメでも登場の尺が1話と短命ではあるものの、そのキャラの濃さから北斗の拳ファンの間ではつねに好きなキャラランキングの上位に名を連ねるほどです。
ハート様の特徴として、
・普段は優しいけど怒ると手がつけられない
・豚みたいなビジュアルである
・話し方や声のトーンが紳士的
というものが挙げられると思いますが、酒を振る舞うバーテンに乱暴をする部下の態度を嗜めたり、平時では話し方が丁寧だったりと、色々ギャップの激しいキャラですよね。
そして自分の血を見ると狂乱状態に陥り、口調も乱暴になる。
さらに声も太くなる。
紳士的なイメージとは無縁のキャラに変貌する。
凄まじいギャップありきのキャラです。
しかも妙に強い。
ケンシロウに4ジャックの中で唯一ダウンを奪った男。
これは人気出ないわけがないですよね。
1話だけという短い尺に出番が終わってしまったのが残念ですね。
それでもインパクト大ですが。