離婚しない男 第1話 あんたがしてくれなくても

〜あんたがしてくれなくても〜

 

ーーあらすじ

 

大手新聞社・関東新聞の社会部エース記者である岡谷渉(伊藤淳史)は、いつものように妻・綾香(篠田麻里子)と娘の心寧(磯村アメリ)を玄関で見送った。

綾香は怪しげな笑みを浮かべつつ、玄関を後にした。

2人が出て行った後、岡谷は自分のスリッパの踵部分をめくり、何かを確認した。

テーブルにはきゅうりを挟んだローストパンが用意されていたが、岡谷は「絶対離婚してやる…!」と声を震わせながらこう言った。

岡谷は部長に育児休暇をもらい、感謝の言葉を述べた。

しかし部長は弊社の大黒柱を失い、経営難に陥っていることを指摘。

岡谷は「会社を辞めるわけではないですから…」とフォローしたが、社会部がなくなれば会社を辞めたのと同じ意味なので部長にとってはかなりの痛手だった。

妻子のために在宅ワークを選択した岡谷。

岡谷の同期社員はそのことに意外性を感じつつも、岡谷の妻が専業主婦であることに気づき、在宅ワークの必要性がないことを岡谷に指摘した。

しかし岡谷は「あるんだよ!」と一蹴した。

そして在宅ワークが始まり、娘の心寧はお父さんが家にいることに驚きながらも「嬉しい〜!」と手放しで喜んでいた。

その頃、インターフォンが鳴る。

岡谷の父親から心寧の好物のグミのお菓子をもらい、さらに父親の手作りハンバーグを夕飯にすることを決めた。

一方、綾香は事務所の専属契約を通して娘の心寧を子役タレントとして起用することをマネージャーと話していた。

この綾香の面接をしている男は司馬マサト(小池徹平)という事務所のチーフマネージャーであった。

そして2人きりになった事務所部屋に鍵を閉め、綾香とマサトは急にキスをしてしまう。

まさに岡谷が突き止めようとしていた不倫現場であった。

さらにオーロラSEX(口腔射精)を交わし、マネージャーのマサトと不純な関係にあったことが明かされる。

綾香は事務所から自宅に帰り、いつものように娘の出迎えに喜んだが、娘の手にはグミのお菓子が握られており…。

顔色を変えて岡谷にグミのお菓子を投げつけ、「グミは虫歯になるからダメだと言ったよね?」と詰め寄った。

虫歯がたくさんある子役タレントほど起用が難しくなることを心配した綾香。

娘の健康そっちのけの岡谷を痛烈に批判し、テーブルに置いてあったハンバーグをシンクの流しに投げ捨てた。

娘には栄養価の高い食べ物を用意するためにUber eatsをオーダー。

さらに在宅ワークに切り替えた岡谷を不審に思ったが、岡谷はその理由について「家族との時間を増やすために…」とはっきり答えた。

そんな岡谷を綾香は「遅っ!ウザっ!怪しい…」と罵った。

綾香は昼間に浮気してる相手がいるかどうか問い詰めたが、「いるわけ…ないね!」とサイコパスな笑顔を浮かべながら自分の部屋に戻っていった。

 

ーー親権獲得の難しさ

 

岡谷が在宅ワークに切り替えた理由は、過去に綾香との不倫現場を目撃していたことに起因する。

ヨガ教室の先生をやるはずの綾香が知らない男と怪しげなホテルに入るところを車の窓越しから見つけ、その瞬間をカメラでしっかりと撮影。

怒涛の3連ショットだった。

岡谷はなぜか自分の精子が漏れ出ていた。

さらに綾香の就寝中、綾香のスマホを取って指紋認証を通過、そこから浮気男とのいかがわしいLINEメッセージのやり取りが次々に出てきた。

そのメッセージは以下のようなもの。(※すべて原文まま)

・「旦那が愛してるとか言ってきてキモい

・「さっき旦那に体触られて超キモいー

など…

目を覆いたくなるような暴言の数々であった。

それから綾香との離婚も視野に入れていたが、娘の心寧のことだけが気がかりだった。

綾香との離婚だけではダメなんだ…

そう言った岡谷は、娘・心寧の親権を勝ち取ることが何よりの目的だった。

後輩に電話で腕のいい弁護士を友人に紹介してほしいと頼み込んでいたが、床下に段ボールが置かれていたことで転倒。

引越し業者がきていたが、このときは特に気に留めることもなく後輩と通話を続けた。

岡谷は離婚に強い弁護士を必死に探していた。

そこで白羽の矢が立ったのが、財団(たからだ)法律事務所という、へんてこな当て字の事務所だった。

早速その法律事務所に行き、入り口に置かれていた鈴を鳴らして財団先生と面会した。

財団先生はおよそ弁護士とは思えないほど奇抜な格好をしていた。

隣には仕切りが設けられていたものの、ほぼ隣の部屋からは丸見え状態でプライバシー配慮は皆無。

力になってください!」と頭を深く下げた岡谷を手の甲で乱暴に持ち上げ、岡谷に用件を尋ねる。

岡谷は妻と不倫関係にあることを話し、証拠のLINEでのやり取りやホテルに入るときの写真も提出。

離婚して心寧の親権を勝ち取りたいことを伝えた。

一方、綾香は自分の部屋でマサトと性交していた。

弁護士は娘の親権を獲得するのは難儀だとして、「ご無理ですね。」とはっきり岡谷に伝えた。

不法行為民法709条に抵触する行為だと岡谷は強く主張したが、この写真だけでは証拠不十分だとして親権獲得は無理だと言われてしまった。

まぐわっている証拠

SEXをやや濁した表現だが、つまりSEXをしていたという決定的な証拠がなければ親権を取ることはできなかった。

さらにSEXシーンが文面から伝わるようなものでないと不倫の証拠にはなり得ないどころか、自分が見た綾香のLINEのやりとりはプライバシーの侵害に当たるとされ、不法行為に該当するとまで言われてしまった。

最後のトドメとして親権者には子供を育てるうえで必要となる能力が最大限に求められ、不倫そのものは親権獲得の理由にはならないと言われた。

日本には母性優先の法則に基づいて子供の養育には母親を優先させるという古くからの慣習があった。

法的拘束力は絶対ではないものの、日本の父親の親権獲得率は約1割という悲惨な数字がすべてを物語っていた…。

在宅ワークに切り替えて今までのキャリアを捨ててきた岡谷はこれらの残酷な事実を聞いて一気に肩を落としてしまう。

弁護人にはまともに取り合ってもらえず、親権争いの厳しさを初めて知ることに。

飲み屋で1人、心寧の写真を眺めていた憔悴中の岡谷。

そこに財団法律事務所の探偵を務める三砂裕(佐藤大樹)が突然現れる。

三砂は自分の名刺を紹介し、なぜか距離感が近いことを気にした岡谷はこのときは三砂のことをただの変人としか思っていなかった。(であると思われる)

少しホモっ気のあるオネエ性格だが頼りがいのある探偵で、岡谷の10%の低い親権獲得率を少しでも上げるために岡谷に協力するようになる。

裁判で使う証拠集めのため、ついに綾香との親権争いがスタートする。

 

ーー証拠集めスタート

 

いつも通り娘と綾香を玄関で見送った岡谷だが、2人が出て行った後、電話で探偵の三砂に綾香を追いかけるよう指示し居場所の特定を急ぐ。

そして三砂はカフェで綾香が男ともう1人の知らない女と飲み会していた瞬間をキャッチ。

その後、綾香は男と2人になり、黒いバンに乗ってその場を走り去った。

それを追尾していた三砂は、あるマンションに2人が入ったところを目撃。

ホテルではなかった…。

マンション名は、「ソルマージュ雅」。

なんと岡谷が住んでいるマンションであり、何かを察した岡谷は2人が隣の部屋に入ったところを確認。

ベランダから隣の部屋をカメラ棒を伸ばして録音を開始、

綾香は隣の岡谷に見つからないよう声を出さずにいたが、マサトはむしろそっちのほうが興奮すると言い、持っていた鈴かけを綾香の首に巻きつけ緊縛。

しかし綾香がSEXを渋ったため、マサトは「じゃあしない」と突き放した。

綾香は「声を出すから!」と言い、またしてもキスを交わした。

ショータイムの始まりだ…。

綾香は喘ぎ声を出して、マサトは綾香の胸をさする。

岡谷は隣のベランダから証拠を撮影しようとしていた。

ついにSEXシーン。

マサトは綾香に対し窓に向かってOKサインを大声で出すよう強要。

身勝手なマサトに岡谷は怒りを募らせつつ、ついに食いしばりすぎて前歯を折ってしまった。

そのはずみでカメラをベランダから落としてしまい、証拠集めは失敗に終わってしまった。

その刹那、雨が降りしきった。

これは岡谷の悲しみの涙だろう…。

雨が降りしきる中、後ろから岡谷の肩をそっと支える三砂。

綾香に対するわずかな愛情がこの日のうちに打ち砕かれてしまい号泣。

岡谷は心寧の親権獲得のため絶対に諦めない。

 

〜1話終わり〜

 

ーー1話の感想

 

親権争いに巻き込まれた父親の奮闘劇

今までにありそうでなかったストーリーです。

不倫役に当てられたのは元AKB48篠田麻里子さん。

アイドル出身ということもあり、演技力には疑問符のつくキャスティングでしたが、予想を超えるマリコ様の大胆な濡れ場シーン。

絶頂を迎えたときのマリコ様の喘ぎ声は大変にゾクゾクっとしますね…。

父親役には伊藤淳史さんが当てられ、娘の親権争いに全力で身を投じる体当たり演技が注目されています。

少しオーバーだと思う演技もありますが、やはりハマり役だなと思いますね(笑)

特に表情の変化は目が離せないところ。

ちなみにこのドラマでは気づかない人も多いでしょうが、妻の綾香も夫の岡谷も、作中では強い2面性が描かれています。

綾香は娘といるときのみ、(表向きかもしれませんが)芯のあるしっかりとした母親を演じています。

しかしマサト(小池徹平)の前だと、性に奔放なだらしない女の顔に…。

これは現実のマリコ様のイメージを反映させているのか?(笑)

そして旦那の岡谷のほうも妻の前では決して角を立てずにマサトとの不倫を暴く機会をじっと伺っていました。

妻のいないところでは遠慮なしに暴言を吐いています。

これは一見すると幸せな家庭を装った、『仮面夫婦』ともいえます。

強い2面性を持つ夫婦がお互いのすれ違いを通じて、徐々に関係をこじらせていく。

現代の男女夫婦にありがちなことですよね。

このドラマではそういった教訓的な意も含め、不倫だけでなく夫婦関係のあり方にもスポットを当てた良ドラマと言えるのではないでしょうか。

次は第2話の感想を書いていきたいと思います。